J-POPシーンを中心に活躍する作曲家/作詞家/編曲家/プロデューサーの著者が、自らの体験を元にQ&A形式でさまざまな疑問に答えていく音楽制作ノウハウ集です。 「メロディが“普通”って言われるんですけど?」「良いサビとは?」「ミックスが不得意で……」「マスタリングで音圧を出せません!」 「作詞の勉強方法とは?」といった超実践的なトピックから、「コンペに参加するにはどうしたらいいですか?」「結果を出せないんですけど」 「採用率を上げる秘策は?」といった職業作家を目指す方の悩みまで取り上げています。これらはすべて著者が経験してきたことであり、 また著者主宰の音楽講座「MUSiC GARDEN」の生徒から寄せられた質問を基に構成されているので、とてもリアルなものばかり。アマチュアDTMerから、 本気でプロを目指している人まで、多くのクリエイターに読んでいただきたい1冊です。
はじめまして。音楽プロデューサー/作曲家/作詞家/アレンジャーとして活動している島崎貴光(http://t-shimazaki.com/)です。
僕はレコード会社や音楽事務所の新人育成に携わらせていただいたり、あるいはレコーディング・ディレクターを担当したり、プロデューサーとして企画や予算管理を含めた統括をしたりと、作家とは違った仕事もさせていただいております。
同時に、月刊誌「DTMマガジン」では「島崎塾」「島崎流」という連載を長年続けさせていただき、主宰する作家育成講座「MUSiC GARDEN」(以前は「MJ-Studio」という名称でした)において、大勢のプロ志望者の指導/育成を行い、プロ作家/預かり作家を輩出しています。
そういう意味では、僕は普通の作家/クリエイターではありません。しかし、そんな自分にリットーミュージックさんから執筆の機会をいただき、「どういう本にしましょうか?」となったときに、ずっと昔から感じていた「2点」をお話ししました。
1点目は、以下に記す3方向の目線を盛り込んだ本って今までにナイですよね?ということです。
■現役作家/クリエイターの「作る側」の目線
■現役ディレクターやプロデューサーという現場の「選考/制作」目線
■大勢を「育成/指導」してきている現役講師の目線
また、2点目は「身近でリアルな問題/疑問に答えている本」って、なぜかナイですよね?ということ。制作をしていると、以下に挙げるような思いや疑問がわき上がってきた経験が誰しもあると思います。
「孤独と不安がすごいけど、みんなどうしてるの?」/「みんな、どうやってプロになってるの?」
「作詞まで勝ち獲る仮歌詞の書き方って?」/「採用率を上げるコツがあるの?」/「ディレクションってどうするの?」
「参考曲って、どこまで参考にすべき?」/「上京の必要性ってある?」
こうした非常にリアルな気持ちに応えられる本にしたいと思いました。
今では書籍やネットなどでプラグインの数値設定やミックス/マスタリングの専門的なテクニックも簡単に知ることができますが、そのもっと手前にある「制作上での身近な疑問」や「メンタル面での疑問」って、ほとんど紹介されていませんから。
そんなわけで、もっと「身近でリアル」な「そうそう、コレが知りたかった!」ということに特化した本にするべく、本書では以下のような章を設けました。